国産ロケットはなぜ墜ちるのか H-IIA―開発と失敗の真相
松浦晋也 著
日経BP社
題名は一見刺激的である。これは、2003年11月の、H-IIA6号機の事故の3ヶ月後に出されたという事情もある。だが、書籍の内容は決してセンセーショナルに事故をあおり立てるものではない。
本書は、ロケットの開発という、国家的なプロジェクトが、どのように政治や財政の圧力によりねじ曲げられ、技術陣が翻弄され、いまの姿になってきたのか、という点を事細かに明らかにしている。
著者の視点は常に技術者の側にある。ロケットを作り上げたい(上げなければならない)現場の技術者、NASDAの技術者達の意向が、どのように「くみ上げられなかった」かをしっかりと書いている。これはずっと日本の宇宙開発をウォッチしてきた著者でなければできない技であろう。
それでも著者は日本の宇宙開発を見捨ててはいない。どのように今後進めていくべきかについても示唆をいろいろと与えている。そこにはいろいろな意見があろう。しかし1ついえることは、ロケットという巨大技術プロジェクトというものが、どのように進められるべきかということである。おそらくこれはロケットに限らず、ありとあらゆる、国家主導の巨大技術プロジェクトに共通するものである。
打ち上げ失敗というと、すぐ「技術者の怠慢」「税金の無駄」と非難する人は多い。マスメディアの論調もそうなりがちで、打ち上げ失敗の翌日の新聞には「何百億円が水の泡」という記事が出るのが恒例である。このような、叩くことだけには熱心な技術軽視の風土の中でのロケット開発に現場の重圧は強い。本書を読んでいる皆さんには、ぜひその点も考えて欲しいと思う。そして、周りの人たちに、そのことを伝えて欲しい。技術立国として進んでいくためには、何が必要なのかを。
松浦晋也 著
日経BP社
題名は一見刺激的である。これは、2003年11月の、H-IIA6号機の事故の3ヶ月後に出されたという事情もある。だが、書籍の内容は決してセンセーショナルに事故をあおり立てるものではない。
本書は、ロケットの開発という、国家的なプロジェクトが、どのように政治や財政の圧力によりねじ曲げられ、技術陣が翻弄され、いまの姿になってきたのか、という点を事細かに明らかにしている。
著者の視点は常に技術者の側にある。ロケットを作り上げたい(上げなければならない)現場の技術者、NASDAの技術者達の意向が、どのように「くみ上げられなかった」かをしっかりと書いている。これはずっと日本の宇宙開発をウォッチしてきた著者でなければできない技であろう。
それでも著者は日本の宇宙開発を見捨ててはいない。どのように今後進めていくべきかについても示唆をいろいろと与えている。そこにはいろいろな意見があろう。しかし1ついえることは、ロケットという巨大技術プロジェクトというものが、どのように進められるべきかということである。おそらくこれはロケットに限らず、ありとあらゆる、国家主導の巨大技術プロジェクトに共通するものである。
打ち上げ失敗というと、すぐ「技術者の怠慢」「税金の無駄」と非難する人は多い。マスメディアの論調もそうなりがちで、打ち上げ失敗の翌日の新聞には「何百億円が水の泡」という記事が出るのが恒例である。このような、叩くことだけには熱心な技術軽視の風土の中でのロケット開発に現場の重圧は強い。本書を読んでいる皆さんには、ぜひその点も考えて欲しいと思う。そして、周りの人たちに、そのことを伝えて欲しい。技術立国として進んでいくためには、何が必要なのかを。


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