書籍の最近のブログ記事

見ておもしろい星雲・星団案内

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見ておもしろい星雲・星団案内
大野 裕明
誠文堂新光社
1979年8月1日発行

 天体写真はフィルムやCCDに長時間、光を当てて撮影するので、目には見えない淡い光まで記録することができます。でも肉眼で観察する場合は、その瞬間の光しかとらえることができません。ですから天体写真とはまるで違う見え方をします。
 この本は著者の大野裕明さんが、自らの目で観察した星雲・星団のスケッチで構成されています。天体写真に比べるとはなはだ頼りない見え方ですが、そこには何十何百光年の時空を超えて地球に届いた光をナマで感じる、眼視ならではの感動があります。
 注意すべき点は、現在より光害も少ない時代に好条件の空で観察したスケッチということ。今の都会の空で同じ口径の望遠鏡を向けても、とても同じようには見えません。それでも眼視派の人には天体の見え具合の参考として、眺めていて飽きません。

 長らく絶版になっていましたが、2009年に「星雲・星団観察ガイドブック―いろいろな望遠鏡による見え方がわかる本」と改題して再版されました。

イケナイ宇宙学

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イケナイ宇宙学
フィリップ・ブレイト(訳:江藤巌,熊谷玲美,斉藤隆央,寺薗淳也)
楽工社
2009年3月3日発行

 天文・宇宙に関する、よくある誤解や間違った常識を取り上げ、懇切丁寧に検証していきます。時にはジョークや鋭い皮肉も織り交ぜた軽妙な語り口。
 「アポロ疑惑」「UFO」「星占い」といったおなじみの話題。「空が青いわけ」「潮汐の原因」「コリオリ効果」など、星好きでも意外に誤解していたり、正しい説明が出来なかったりする話題。「月の満ち欠け」「季節の移り変わり」など、意外に間違った理解をされている自然現象。
 恥ずかしながら自分も最近まで誤解していた事柄も取り上げられていて、軽妙さと表裏一体の辛口かつ的確なツッコミっぷりに唸らされます。原著のノリを最大限に活かしたと思われる翻訳も見事です。観望会などの普及活動に携わる天文ファンは、読んでおくと活かせる機会があるかもしれません。

星界の報告

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星界の報告 他一篇
ガリレオ・ガリレイ 著
山田 慶児,谷 泰 訳
岩波書店(岩波文庫 青906-5)
1976年10月18日発行
定価 588円
ISBN4-00-339065-2

2008年8月に復刊されました。

人類ではじめて望遠鏡を星に向けたガリレオ・ガリレイが、自分の観察した星の世界の様子をあらわした著作。原題は「Siderevs Nvncivs(ラテン語)」。「他一篇」の方は「太陽黒点にかんする第二書簡」。


参考:
世界天文年2009-落ち穂拾いブログ:岩波文庫
Wikipedia:星界の報告

かこさとし・ほしのほん

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はるのほし
なつのほし
あきのほし
ふゆのほし

加古里子 著
各、1,260円
偕成社


私を月に連れてって  宇宙旅行の新たな科学」
エドワード・ベルブルーノ 著 北村曜子 訳
英治出版
ISBN978-4-86276-025-8
2,000円+税

宇宙船の軌道設計、つまり宇宙船を目的の天体まで飛行させるのにどのような軌道を通ったらいいかを考えるのに、「カオス」を取り入れる試みを、一般向けにやさしく語った本です。
なにやら斬新なように聞こえますが、実はすでに多くの探査機の軌道設計に取り入れられているとのこと。

原題「FLY ME TO THE MOON」はジャズの名曲ですが、著者が月へ連れて行ったのは、日本の工学実験衛星「ひてん(MUSES-A)」でした。
著者は、「ひてん」を、「カオス」を用いた軌道で、より少ない燃料消費で月に向かわせることができると提案、これが、軌道設計に「カオス」を取り入れる手法が有効であることを示す最初の例となったとのことです。

そしてその後、ESAのSMART-1をはじめとする探査機の軌道設計に生かされていったこと、さらには月の成因や太陽系内の天体の運動に至るまで、話題は広がります。

「ひてん」をめぐる状況については事実確認が必要な気がしますが・・・・

地図で有名な昭文社であるが、最近は地図をベースにしていろいろと辞典関連のものを出してきている。これもその一環である。
「なるほどKIDS」などと書いてあるので、子ども向けだと思ったあなたは甘い。まず、この本を監修しているのは、日本最強の宇宙広報担当、渡辺勝巳氏である。30年近くにわたってNASDA/JAXAの広報担当をつとめてきた、というだけでも驚くべき経歴だが、その間に培ってきた驚くほど豊富な知識、そして身をもって体験してきた宇宙開発の出来事が、この本の中には余すことなく投入されている。

子ども向けということもあってイラストも多く、非常に読みやすい。しかし、ちょっとめくっただけで、並の宇宙関係の本ではないことはすぐにわかる。だいたい、ロケットの比較のところでイスラエルやブラジルのロケットが並んでいる本なんてそうあるだろうか? 打ち上げ場のリストなど、そこらのJAXAドキュメントよりも詳しいくらいである。

ぜひ、子供受けと偽っておいて、マニアの方に手にしてもらいたい。
なお、後半の「宇宙を体験できる施設」は若干情報が古くなっているが、この時代、出版が現実に追いつかないというのはある意味仕方がないところではあるかも知れない。いずれにしても次版ではup-to-dateな情報になっていることを望む。

「太陽系」の地図帳

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「太陽系」の地図帳

縣 秀彦 監修
青春出版社 ワンコインブックス
2008年5月10日 第1刷

太陽から外縁天体まで、最新の太陽系の知識が簡単に読める本。ひとつの項目を見開き2ページか4ページに収めてあり、どこからでも読めます。

2008年5月の出版ですが、同年2月に神戸大学の研究者が発表して話題になった「新惑星の存在の可能性」のニュースについても言及されていて、出版時点での情報の鮮度は非常に高い本です。

世界天文年2009ブックフェア」参加書籍。

国産ロケットはなぜ墜ちるのか H-IIA―開発と失敗の真相
松浦晋也 著 
日経BP社

題名は一見刺激的である。これは、2003年11月の、H-IIA6号機の事故の3ヶ月後に出されたという事情もある。だが、書籍の内容は決してセンセーショナルに事故をあおり立てるものではない。

本書は、ロケットの開発という、国家的なプロジェクトが、どのように政治や財政の圧力によりねじ曲げられ、技術陣が翻弄され、いまの姿になってきたのか、という点を事細かに明らかにしている。
著者の視点は常に技術者の側にある。ロケットを作り上げたい(上げなければならない)現場の技術者、NASDAの技術者達の意向が、どのように「くみ上げられなかった」かをしっかりと書いている。これはずっと日本の宇宙開発をウォッチしてきた著者でなければできない技であろう。

それでも著者は日本の宇宙開発を見捨ててはいない。どのように今後進めていくべきかについても示唆をいろいろと与えている。そこにはいろいろな意見があろう。しかし1ついえることは、ロケットという巨大技術プロジェクトというものが、どのように進められるべきかということである。おそらくこれはロケットに限らず、ありとあらゆる、国家主導の巨大技術プロジェクトに共通するものである。

打ち上げ失敗というと、すぐ「技術者の怠慢」「税金の無駄」と非難する人は多い。マスメディアの論調もそうなりがちで、打ち上げ失敗の翌日の新聞には「何百億円が水の泡」という記事が出るのが恒例である。このような、叩くことだけには熱心な技術軽視の風土の中でのロケット開発に現場の重圧は強い。本書を読んでいる皆さんには、ぜひその点も考えて欲しいと思う。そして、周りの人たちに、そのことを伝えて欲しい。技術立国として進んでいくためには、何が必要なのかを。

月の科学―「かぐや」が拓く月探査
青木満 著
ベレ出版
ISBN: 978-4860641849

この本の帯にもあるように「月探査の時代を知るための最良の書」というのは決して誇張ではない。まさに待たれていた本である。
「かぐや」をはじめとした月探査時代が始まってはいるが、それはなぜなのかということについてはこれまでていねいに解説されてくることはなかった。本書は、「かぐや」の打ち上げ、そして観測開始の取材を通して、月探査の過去・現在・未来についての展望を、豊富な知識と取材経験を駆使して語っている。
ポイントは、そのすべてが「科学」という視点に立脚しているということ。月だからといってファンタジーに逃げることもなく、かといってまともに難解な理論を提示するという形ではなく、わかりやすい切り口を元にして解説を積み重ねていくというていねいな手法で、どんな人にもわかるような月の科学の解説書となっている。
そのためか、多少分厚い(390ページ)が、最初からまともに切り込んで読む本ではない。目についた章をぱらぱらとめくっていくだけでもいい。知らず知らずのうちに、月の世界、というか月の科学の世界に引き込まれ、月についてよりいっそう知識を広めた自分に気付くであろう。(by てらきん)

日本の天文学の百年

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日本の天文学の百年
日本天文学会百年史編纂委員会
恒星社厚生閣

日本天文学会百周年記念本。
「我が国天文学の百年にわたる発展史とその業績を様々な分野ごとにまとめた」(恒星社厚生閣)
「日本の現代天文学史のレファレンスブックともいえる内容」(日本プラネタリウム協議会)